外壁の色シミュレーションの使い方|無料ツールの3タイプと決めた色を業者に伝える方法

外壁の色シミュレーションの使い方

外壁の色シミュレーションは、候補を2〜3色に絞るための道具です。無料ツールは配色提案型・モデル住宅型・自宅写真型の3タイプがあり、この順に使うと迷いにくくなります。画面の色は実物と同じにはならないため、最後は色番号で業者に伝え、塗り板で確かめてください。

この記事でわかること

  • 色シミュレーションでできること・できないこと
  • 無料ツールの3タイプと、使う順番
  • 自宅写真型でずれにくい写真の撮り方
  • 画面の色と実物がずれる理由
  • 決めた色を製品名と色番号で業者に伝える方法

公的情報源: 日本塗料工業会「塗料用標準色 色票番号」(参照)/アステックペイント「マイカラーシミュレーションとは?」(参照)

色見本帳を何冊めくっても、家全体に塗ったときの姿はなかなか想像できません。そこで役に立つのが、画面上で外壁や屋根の色を塗り替えて見られるカラーシミュレーションです。

ただ、ツールの数が多く、どれを使えばよいのか分からないという声もよく聞きます。ツールには得意な場面の違いがあるので、迷いの段階に合わせて使い分けると、候補が早く絞れます。

この記事の要点

  • シミュレーションの役目は候補を2〜3色に絞ること。最終決定は実物で行う
  • 無料ツールは配色提案型→モデル住宅型→自宅写真型の順に使うと迷いにくい
  • 自宅写真型は曇りの日の正面写真で使うと、色のずれが小さくなる
  • 決めた色はメーカー名・製品名・色番号で見積書に残す

色の候補がまとまってきたら、シミュレーションや塗り板に対応してくれる業者を探す段階です。複数社に同じ条件で見積もりを頼むと、色決めのサポートの違いも比べられます。

目次

外壁の色シミュレーションでできること・できないこと

外壁の色シミュレーションとは、家の画像の外壁や屋根に色をのせて、塗り替え後の見た目を画面で確かめる方法です。全体の配色の相性を見るのは得意ですが、仕上がりの色そのものを正確に再現することはできません。

アステックペイントも、自社のシミュレーションについて、塗り替え後の色をイメージしやすくするツールで、仕上がりの色がまったく同じになるわけではないと案内しています(アステックペイント「マイカラーシミュレーションとは?」・2026年9月29日確認)。

シミュレーションが得意なこと・苦手なこと

見たいこと得意か補う方法
外壁と屋根の組み合わせ得意そのまま使える
ツートンの分け方得意分ける位置を何通りか試す
付帯部(雨どい・破風)との相性得意サッシなど塗らない部分の色を先に固定する
仕上がりの正確な色味苦手大きめの塗り板を屋外で見る
つやの有無・質感苦手塗り板の実物で確かめる

つまり、シミュレーションは「どの方向の色にするか」を決める段階の道具です。色の細かな明るさや、つやの具合まで決めるには、実物の塗り板が欠かせません。

無料で使える色シミュレーションは3タイプ

無料の色シミュレーションは、使い方で配色提案型・モデル住宅型・自宅写真型の3タイプに分けられます。どれが優れているかではなく、向いている段階が違います。

色シミュレーションの3タイプ

  • 迷いの段階に合わせて使い分ける
    • 配色提案型家の形や好みのイメージを選ぶと、組み合わせの見本が出てくる。方向性がまだ決まっていない段階向け
    • モデル住宅型用意された家の絵に、自分で色を塗って試す。形の近い家で配色を比べたい段階向け
    • 自宅写真型自分の家の写真に色をのせる。候補を2〜3色に絞る最後の段階向け

図:方向性→配色の比較→自宅での見え方、の順に進むと候補が絞りやすい。

塗料メーカーなどの無料ツールの例(2026年9月29日確認)

タイプツールの例できること使える端末
配色提案型日本ペイント「PERFECT Color Design」3ステップで全25パターンの配色プランを紹介Webサイト
モデル住宅型エスケー化研「住宅塗り替えシミュレーション」戸建て14種類などのモデルに色を塗って試すWebサイト
自宅写真型スズカファイン「i Color Paint」iPhone・iPadで撮った写真に色をのせる(無料)iPhone・iPad専用
自宅写真型アステックペイント「マイカラーシミュレーション」自宅の写真をもとに専用ページが発行され、色を試せるパソコン・タブレット・スマホ

出典:日本ペイント「外壁の色選びに悩んでいます。いい決め方を教えてください。」(参照)、エスケー化研「住宅塗り替えシミュレーション」(参照)、スズカファイン「iPhone・iPad専用アプリ」(参照)、アステックペイント(参照)。

配色提案型は「何色系にするか」決まっていない人向け

日本ペイントの「PERFECT Color Design」は、家の形・理想の外観イメージ・好きな色・人気色やおすすめプランの4つの入り口から、配色の見本を探せます。

白系か、グレー系か、ブラウン系かといった大きな方向がまだ決まっていないなら、まずここで気になる配色を3つほど保存しておくと次に進みやすくなります。

モデル住宅型は「組み合わせ」を比べたい人向け

エスケー化研の「住宅塗り替えシミュレーション」は、戸建て14種類・アパート3種類・マンション6種類・工場1種類のモデルから建物を選び、クリックして試すしくみです。

自分の家に形が近いモデルを選べば、外壁・屋根・付帯部の組み合わせを何通りも比べられます。写真を用意する手間がないので、家族で候補を出し合う段階にも向いているでしょう。

自宅写真型は「最後の2〜3色」を絞る人向け

自宅写真型は、窓の位置や屋根の形まで含めて、自分の家での見え方を確かめられます。スズカファインの「i Color Paint」はiPhone・iPad専用の無料アプリで、Android版の開発予定はないと案内されています。

Androidのスマホやパソコンで試したい場合は、塗料メーカーや塗装会社が提供するWeb型のサービスを探してください。仕上がりに近い判断ができる分、写真の撮り方で結果が変わる点には気をつけてください。

色シミュレーションを使う順番と、写真の撮り方

迷わずに候補を絞るには、塗らない部分の色を書き出す→配色提案型→モデル住宅型→自宅写真型の順に進めます。いきなり自宅写真型から始めると、色数が多すぎて選べなくなりがちです。

  1. 塗らない部分の色を書き出す:窓サッシ・玄関ドア・屋根(塗らない場合)・基礎の色をメモする
  2. 配色提案型で方向を決める:好きな配色を3つほど選び、白系・グレー系などの方向を決める
  3. モデル住宅型で組み合わせを比べる:形の近い家で、外壁・屋根・付帯部の組み合わせを試す
  4. 自宅写真型で2〜3色に絞る:自分の家の写真で、残った候補を並べて見比べる
  5. 色番号を控える:候補の色ごとに、メーカー名・製品名・色番号をメモする

塗らない部分の色は、配色の土台です。サッシの色と合う外壁色の考え方は外壁塗装の色選び|人気色と汚れにくい色・配色で確かめられます。

自宅写真は「曇りの日の昼・正面から」撮る

自宅写真型の結果は、元の写真しだいで大きく変わるので注意してください。強い日差しで影が濃い写真や、夕方の赤っぽい光の写真に色をのせると、どの色も実際とは違って見えてしまいます。

次の条件で撮ると、色のずれを小さくできます。

  • 天気と時間:曇りの日の昼間。日差しによる強い影や白飛びが出にくい
  • 角度:家の正面から、水平に構えて撮る。見上げる角度は形がゆがむ
  • 範囲:屋根から基礎まで、家全体を1枚に収める
  • 写し込むもの:サッシ・玄関ドア・雨どいなど、色の相性を見たい部分を入れる
  • 枚数:正面のほか、よく人目にふれる面を1枚ずつ撮っておく

隣の家や植木が大きく写ると、その色に引っぱられて判断がぶれることがあります。可能なら、家の外壁がいちばん広く写る角度を選んでください。

画面の色と実物がずれる3つの理由

シミュレーションの色が実物と違って見えるのは、ツールの精度が低いからだけではありません。画面の設定・印刷・面の大きさという3つの要因があります。

アステックペイントは、パソコンやスマホの画面の大きさや明るさの影響を受けること、画面上の色とプリントした色で見え方が異なることを注意点として挙げています(アステックペイント)。

画面と実物の色がずれる理由

ずれの原因
画面の設定
端末ごとに明るさや色の出方が違う。夜間モードでは黄みが強くなる
印刷
プリンターと紙で色が変わる。印刷した紙を色見本の代わりにしない
面の大きさ
明るい色は面積が大きいほど明るく、暗い色は暗く見える(面積効果)
補い方
同じ端末で比べる
家族で見るときも1台の画面で候補を並べる
色番号で残す
画面や紙の色ではなく、製品名と色番号で候補を記録する
塗り板で確かめる
大きめの塗り板を屋外の自然光で見て、最終決定する

図:画面は「方向を決める道具」、最終決定は色番号と塗り板で行う。

3つめの面積効果について、アステックペイントは「明るい色は面積が大きいほうが明るく見え、暗い色は面積が大きいほうが暗く見える」と説明しています。

画面の中の家は実物よりずっと小さく、同じ色でも実際の外壁では印象が変わるはずです。面積効果を見込んだ色の補正と、塗り板の見方は外壁塗装の色選びで詳しくまとめています。

決めた色を業者に正しく伝える方法

シミュレーションで決めた色は、「メーカー名・製品名・色番号」の3点で業者に伝え、見積書と契約書に書いてもらうのが確実です。「画面で見たあのグレー」のような伝え方では、別の色で塗られても確かめようがありません。

色番号は「日塗工番号」だとメーカーをまたいで通じやすい

塗料の色は、メーカーごとの色名や色番号のほかに、日本塗料工業会の「塗料用標準色」の番号(日塗工番号)で伝える方法もあります。業界で共通に使われる見本帳の番号なので、相見積もりの業者それぞれに同じ色を伝えやすいのが利点です。

日本塗料工業会によると、番号は「P15-90B」のように書き、P=発行年記号、15=色相、90=明度、B=彩度を表します。見本帳は2〜3年に一度発行され、2024年P版は600色を収め、次の版は2027年に発行予定です(日本塗料工業会「塗料用標準色 色票番号」・同「2024年P版 塗料用標準色」・2026年9月29日確認)。

色の伝え方と、ずれにくさ

伝え方例ずれにくさ
色の名前だけ「明るめのグレー」低い(人によって思い浮かべる色が違う)
画面を見せるスマホの画面低い(端末で色が変わる)
メーカーの色名製品の色見本の名前中(同じメーカーの製品なら通じる)
製品名+色番号メーカー名・製品名・色番号高い
日塗工番号P15-90B など高い(業者どうしで共通)

見積書と契約書に色を書いてもらう

口頭で色を決めただけでは、工事中に「思っていた色と違う」となったとき、何を約束していたのかが残りません。外壁・屋根・付帯部ごとに、製品名と色番号を見積書か仕様書に書いてもらうようにしてください。

契約前に書面で確かめたい項目は、外壁塗装の契約書で確認すべき10項目にまとめています。

色番号まで伝えて見積もりを頼むと、業者ごとの提案や塗り板の対応の差がはっきり見えてきます。候補の色が決まったら、同じ条件で複数社に見積もりを取り、色決めのサポートまで含めて比べてみてください。エリア・条件は公式サイトでご確認ください。

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業者にシミュレーションを頼むときの確認点

塗装会社の中には、見積もりの一環として自宅写真でのカラーシミュレーションや塗り板を用意してくれるところがあります。頼む前に、どこまで対応してくれるかを聞いておくと、あとで比べやすくなります。

  • 費用:契約前でも無料で作ってもらえるか
  • パターン数:何パターンまで出してもらえるか
  • 写真:自宅の写真で作るのか、モデルの家で作るのか
  • 塗り板:候補の色で実際の塗料を塗った板を用意してもらえるか
  • 色の記録:シミュレーションの色ごとに、製品名と色番号を書いてもらえるか

相見積もりを取るときは、各社に同じ候補の色と同じ条件で頼むのがポイントです。条件がそろっていれば、提案の丁寧さや対応の早さも比べる材料になります。社数の決め方と比べ方は外壁塗装の相見積もりは何社が適切かを参考にしてください。

よくある質問

Q1:外壁の色シミュレーションは無料で使えますか?

塗料メーカーが公開しているツールには、無料で使えるものがあります。たとえばスズカファインの「i Color Paint」は無料アプリと案内されています。

塗装会社に自宅写真でのシミュレーションを頼む場合は、無料かどうか、契約前でも作ってもらえるかを先に聞いておくと安心です。

Q2:Androidのスマホでも自宅写真で試せますか?

アプリによって対応が違うので、先に確かめてください。スズカファインの「i Color Paint」はiPhone・iPad専用で、Android版の開発予定はないと案内されています。

アステックペイントの「マイカラーシミュレーション」のように、パソコン・タブレット・スマホで使えるWeb型のサービスもあります。

Q3:シミュレーションだけで色を決めても大丈夫ですか?

おすすめしません。画面の明るさや端末の設定で色の見え方が変わり、仕上がりとまったく同じにはならないからです。

シミュレーションで2〜3色に絞ったら、大きめの塗り板を屋外の自然光で見て最終決定してください。

Q4:シミュレーションで決めた色は、業者にどう伝えればいいですか?

メーカー名・製品名・色番号の3点で伝え、見積書か仕様書に書いてもらうのが確実です。

複数の業者に同じ色を伝えたい場合は、日本塗料工業会の塗料用標準色の番号(P15-90Bのような日塗工番号)を使うと、メーカーをまたいでも通じやすくなります。

Q5:屋根と外壁の色もまとめて試せますか?

多くのツールで、外壁と屋根、雨どいなどの付帯部を分けて色を変えられます。組み合わせの相性を見るのは、シミュレーションが得意な使い方です。

屋根を塗らない場合は、今の屋根の色をそのまま残した状態で外壁の候補を試してください。

まとめ

外壁の色シミュレーションは、候補を絞るための道具として使うと力を発揮します。

この記事のまとめ

  • シミュレーションは配色の相性を見るのが得意。正確な色味とつやは実物で確かめる
  • 無料ツールは配色提案型・モデル住宅型・自宅写真型の3タイプ
  • 使う順番は塗らない部分の色→配色提案型→モデル住宅型→自宅写真型
  • 自宅写真は曇りの日の昼、正面から家全体を撮る
  • 決めた色はメーカー名・製品名・色番号で見積書と契約書に残す

色の候補がそろったら、次は実際に塗る業者と話を進める段階です。色番号で伝えて塗り板まで用意してくれる業者なら、仕上がりの行き違いはぐっと減らせます。

色決めの手伝い方は業者によってさまざまです。候補の色と同じ条件で複数社に見積もりを頼めば、価格と一緒に、シミュレーションや塗り板の対応まで並べて比べられます。エリア・特典の条件は公式サイトでご確認ください。

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この記事の運営者:Tsuji。外壁塗装・リフォーム会社の営業スタッフとして6年間、戸建て外壁塗装の見積もり・施工管理補助を300件超担当。見積書の読み方と業者選びの判断材料を、国民生活センターや塗料メーカーの公開情報とあわせて整理しています。

※本記事は日本ペイント・エスケー化研・スズカファイン・アステックペイント・日本塗料工業会の公開情報をもとに2026年9月29日時点で整理しました。各ツールの提供内容や対応端末、色見本帳の版は変わることがあります。利用の際は各社の公式サイトで最新の内容をご確認ください。

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この記事を書いた人

外壁塗装とリフォームの会社で営業として6年、戸建ての現地調査や見積もり作成を300件以上担当してきたTsujiです。「屋根が傷んでいますよ」と声をかけて回る飛び込み営業の現場で、見積もりがどう作られ、塗料がどう選ばれていくのかを内側から見てきました。

会社を辞めたあと、築20年になる実家の外壁塗装を自分で発注しました。営業の経験があっても、いざ頼む側に回ると分からないことが多く、5社に相見積もりを取ったところ、最も高い会社と安い会社で100万円以上の差がついて驚きました。

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